二浪目の夏休み
夏が受験の天王山と聞くから気合入れていくわけだが、
宅浪の僕はとりあえず自習室が欲しいと思って河合塾の夏期講習を取ることにした。
大体東大受験系の科目だ。だが、一浪目のように授業を受けて満足するのではなく、
自習室で朝から晩まで一心不乱に勉強した。
そして秋、やはり普通の勉強だけでは物足りないなと思い
ICU受験対策専門特化の塾のようなものがあったので
そこから過去問を取り寄せることにした。
金額はそれなりにかかったとはいえ予備校に行かずに独学でやっているので
それほどの出費ではないだろうと思った。
ICUの過去問を解いていたらやはり知的好奇心が満たされる。
関連事項を調べることに注力していった。もちろん大学受験勉強もおろそかにはしなかったが。
そして11月ごろだ。
いよいよ東大オープンの時期で
勝負どころだった。
河合塾大阪校ではもう満員だったので
わざわざ河合塾京都校までいくことにした。
二日間、京都まで行くのはなかなか大変であったが、
そこで幸運が巡ってくる。
なんと2日目、決められた席の後ろの女子が話しかけてきたのである。
なんとなく会話が盛り上がっているうちに一緒に帰ることになった。
阪急河原町駅からその女子と一緒に座って帰った。
いろいろ話していたがその子は特に専門分野は決めてないらしく
むしろ学祭的な分野がやりたいと言っていた。
当然第一志望は東大だが、滑り止めをどうしようと悩んでいたので
学祭的といえばまさにICUではないか?と思いICUを勧めてみた
関西の子だったのでICUという名前は初めて聞いたらしいが
僕がとうとうとICUの説明をすると興味を示してくれた。
そんな感じで十三駅で別れたが
僕はこんな出会いがあるのならば絶対に東大かICUに行こうと決意を固めたのであった。