そんなこんなで冬がやってきた。
受験本番も近づいてきたが、いつの間にか勉強する楽しみに目覚めていた私は
弾丸のように勉強していた。
冬季講習もあちこち予備校業界では有名な先生の授業を受けまくり
準備も万端で臨んでいった。
特に冬季講習のICU対策講座では
隣に座った人と話して仲良くなった。
このとき二人ぐらいと仲良くなった気がする。
入学後も仲良くできればと思った。
とはいえ第一志望はあくまで東大。
それだけは揺らいじゃいけないと思った。
とはいえ早慶上の試験はどうでもよかった。
東大かICUに受かればよかったと思った。
ICU入試当日。
試験監督はユーモアたっぷりに受験生をリラックスさせようとしていた。
これはICU受験界隈では有名な話だが私の世代からそうである。
そして臨んだ試験。まあまあの出来だろうと思った。
その日初めて会った人とも話をし、同じ哲学を志している人だとわかった。
ますますICUに入りたいと思ったが、本番の試験はこれからだ。
国立大学の試験まで気合を入れた。
しかし、東大入試の直前、ICUの合格発表があった。
……落ちた。
ICU、結構行きたいと思っていて
ここに行けるならまあ東大落ちてもいいかなと思っていた矢先だったので
ショックが大きかった。
そして臨んだ東大受験。
頭が真っ白で何もどうしようもなかった。
当然だが、東大も落ちてしまった。
その他の受験校については言わずもがな、
一浪目、全落ちである。
その後、親に結果報告し、
「俺はミュージシャンになるからそのまま東京でバンド活動やっていくわ」
と伝えたら、そんな嘘はバレバレだったので
とりあえず大阪に帰ってこいと言われた。
僕は早くも都落ちしてしまったのである。
そして、二浪目の春が始まる。