実を言うとスフィンクスさんは二浪して大学に入っている。
一言で実感を言うと二浪してよかったと思っている。
本シリーズでは2年間の浪人生活を過ごした日々をできるだけ覚えている限り綴っていこうと思う。
高校卒業時点ではどうせ浪人しようと思ってろくに受験もせず、結果進学する大学もなかった僕はとりあえず浪人して東京大学を目指そうと決意した。
親はそれに無理があるだろうと思いながらもまあ勉強してたらどっか大学にはハマってくれるだろうと理解を示してくれた。
さらに贅沢にも浪人生にもかかわらず親は東京の大学を目指すんなら東京の予備校に通った方が情報があるだろうとまさかの上京までさせてくれた。初めての東京である。
住まいは中野区に決めた。なんかよくわからないが中央線沿いの有名な街といえば中野か吉祥寺に決まっている。
そして、僕はその年新しく開講された河合塾新宿校に通うことになった。当然国立コースだ。なぜ東大コースじゃなかったかというと要するに学力が足りていなかったからだ。まあ文科省の定める教育課程に違いはないし、必死で勉強すればなんとかなると思った。
そして新学期が始まった。僕は知り合いもいない新天地でまずは友達を作ろうと2ちゃんねるの新宿校スレに入り浸り、コテハンとして活動していた。オフ会もやり知り合いもできた。
だが当時ネットリテラシーもなく特徴を晒しまくったり、時にはスレ住民と喧嘩したりしてたので本名を晒されたり、フリーメールだったとはいえ殺害予告が来たりなどした。
さすがにこれじゃいかんと思いとにかく勉強に集中しようと自習室に篭ったり自宅で必死こいて勉強していた……ということにもならなかった。
なぜか僕はドラムをやっていたので勉強と両立しつつあわよくば音楽の道も行けるんじゃないかと思い、バンド活動もしていたのであった。
当時バンドメンバー募集サイトとしてはwith9というサイトがあったが、そこで数々のバンドに出会った。しかしなかなか定着せずバンド活動も難航していくのであった。
気づいたら梅雨の時期に差し掛かっていた。