梅雨の時期、雨の日が続き僕はだれていた。
予備校に行くのもめんどくさくなり、自宅で引き篭もるようになった。
そんな時、ふと図書館に行ったら
なんとなく哲学科を目指していたのでせっかくなので読んでみるかと思って借りてきた。
そして6月中はずっと読み耽っていた。
それがなんとおもしろかった。
ヘーゲルの哲学はまるで旅のようだと思い、人生観に影響を与える予感がした。
それからすぐさま新宿の紀伊國屋書店で
ヘーゲル『精神現象学』長谷川宏訳を買って読み始めた。これがなかなか難しい。
このまま読み進めていくとすぐに受験シーズンに入ってしまうと危機感を持って僕は
とりあえず入門書から読み漁っていこうと長谷川宏の『新しいヘーゲル』を買って読んだ。
結局、おもしろそうではあるがヘーゲルを読むのは大学に入ってからのお楽しみということで受験勉強に専念することにした。
気づいたら夏期講習のシーズン。淡々と授業を受け、自習室に篭る毎日。
そんな時であった。滑り止めの大学をどこ受けようか考えていた時、とりあえず早慶上智は決めていたのだが、偏差値表を見ると上位に「国際基督教大学」なる文字が。
全然知らない名前の大学だったのだがちょうど夏休みにオープンキャンパスがあったので暇だから行ってみることにした。
入ってみたら森が鬱蒼と茂り、正面には大きな教会が。キャンパスをぶらぶらしていた在学生らしき人たちがフレンドリーに接してくれる。
なんていい大学なんだと思いながら帰路についた。この大学でいいんじゃないかと思いつつ一浪目の夏は終わる。