哲学をやるのにたくさん読書をしろというクリシェがあるが、
哲学は思考を洗練させることに眼目が置かれる。
しかし、乱読はかえって思考を腐敗させる危険があるため、
読書量で自慢してくる哲学者には気をつけたほうがいいだろう。
私も読書は好きなのでたくさん読んでいるが
そうした読書経験が自分の哲学的思考に結びつくことは
滅多にないと言っていいだろう。
むしろ哲学は人生経験、ひらめき、想像力その他から
ふっとやってくるものなのだ。
読書量で自慢するのは歴史家の態度である。
歴史家は資料をたくさん読み、その量でマウントを取り合うが
哲学者は地頭での勝負である。
歴史家であるな、哲学者たれ!