神の選択と人間の死

神は人間と同様、知性と意志をもっている。

しかし、神の知性と神の意志は実在論的にも唯名論的にも区別されえない。

 

神は自由に選択できるが、神は善しか選択しない。

神は善悪を知ることができるが、神は善しか知りえない。

神は常に善を知り、善を意志・選択する。

 

神は可能的にも必然的にも善である。

 

人間は善悪を知り、悪を選択することができる。

しかし、人間は死すべき存在である。

人間は自由に死ぬことができるが、死ぬことしかできない。

人間は死を知ることができないが、死しか知ることができない。

 

人間は可能的にも必然的にも死すべき存在である。

そして、人間にとって死は神にとっての善である。

 

可能性と必然性が一致するところに

事物の本質がありうる。