今回は真面目に読んだので
いろいろ語りたいところですが、
かいつまんでみると
規範倫理学がまず土台になるのは前提として
ピーター・シンガーの功利主義的な動物の擁護ばかりがこれまで注目されてきたところ
トム・レーガン以降の義務論的な、動物の権利を主体とした
動物倫理学の展開が紹介されているのはすばらしい流れだと思いました。
第3章では、
動物倫理学の立場からどうする「べきか」という規範的な立場がバッサバッサと論じられ
動物倫理学にコミットする者の倫理的態度に訴えかける
ここまで断言していいものかとビビってしまうぐらいであるが
学問というのはまず議論の叩き台を作らなければならないわけで
その点については入門書としてもすぐれている
また、動物倫理に限らず応用倫理学の一部門として
環境倫理学との関係も述べられる
環境倫理学のまとめも要点をしっかりおさえられていてすばらしいと思った
最後に、マルクスから見た動物倫理ということで
マルクス研究者田上先生の真骨頂であり手練の技が見えた。
実は、私は田上先生がオンラインで動物倫理学の講義をやる際
初めてやられた時に講義に参加していた
その頃はまだこの書籍は出ていなかったので
講義を思い出しながら読んでいた
それがこのような形で完成するというのは凄まじいことであり
その形成過程も見ることができたのは実に幸運なことであった
ちなみに私のヴィーガン実践記録は下記のブログにあります
また、私の立場とともに
培養肉の可能性については下記ブログで論じた