人文系博士課程の就職活動の想い出⑤

2020年も春を迎えようとしていた

いいところまで行った企業も落とされてしまい

世間ではコロナが流行りはじめている

 

やはりもうアカデミアでがんばるしかないと思っていた矢先

大学の就職課の方が病院の事務の仕事を紹介してくれた

コロナの時期に病院かーとは思いつつも

意識の高い僕はそんな時だからこそ医療系の仕事は求められるのだろうと

ひとまず相変わらずのやる気で特攻することにした

 

まずは院内見学だった

大体の説明を受け

院内を見て回ることに

病院に行くことなんて滅多になく

健康体で入院したことなんかも一度もないため

いろんな部署を巡ってリハビリ機材を見たり

なんかそういうのは楽しかった

また個人的に注目すべきだったのが

社食のカレー なんと290円で提供してくれるという

なんてサービスがいいんだろうと思った

 

さて一通り見て回った後

いよいよ試験になった

筆記試験と面接を一緒にやるらしい

受けていたのは4人

まず筆記試験だが小中学生並みの簡単な問題

まあこれは申し訳程度のものだろう

問題は面接

僕ともう1人現役大学生の女子と一緒に面接に呼ばれた

まずは女子から一通り聞かれたが その女子は緊張してるのかガチガチだった

まだ面接慣れしてなかったんだろう

就活上はライバルなんだろうが心の中ではがんばれーと思っていた

さて次は僕の番だ

感触はというと面接官は最初から僕の経歴を見て取る気はなさそうで

なんで博士課程なのに大学教員にならないの?塾講師とかじゃダメなの?

みたいな質問 まあダメだろうなあと思って

志望業界は医療系が一番ではないでしょ?って聞かれたので

素直に第一志望は大学教員ですって答えたら

面接官が「良かったあ」って言ってたのをまだ覚えている

 

結局病院事務は落とされた

 

 

もう弾はないなと思って大学の就職課に行ったら

今度は精神障害のある人たち向けの就労支援の仕事を紹介された

というのも一度だけだけどもYMCAの知的障害者支援のボランティアに行ったことがあったからだ

まあそういう方向も悪くないなと思ってひとまず受けてみることに

 

まずは例のごとく面接だが

最初の面接は顔合わせ程度という感じで

本丸はここから

本気で働きたいのなら

2日間インターンをしてみないかという話になった

断る理由もないのでやってみることにした

 

インターン当日

要領もわからないまま来てはみたが集まっているのは種々様々

軽度でまだ話せる人もいれば重度でコミュニケーションの難しい人もいたが

こういった人たちを就労へと向かわさないといけない

彼らの就活状況を聞くと社会復帰をまっとうに考えている人は色々受けて惜しいところまで行くが

もはややる気を無くしてしまってどうリカバリーをさせるかが課題の人もいるからだ

とはいえ僕は所詮インターンでしかないので当日のカリキュラムに沿ってこなしつつ

彼らとコミュニケーションを取ってむしろ我が身を振り返ることが多かった

そう よくよく考えれば僕のほうこそこういう就労支援が必要なんじゃないかと思ったわけで

従業員側ではないだろうと

まるでミイラ取りのミイラにでもなった気持ちで働いていた

 

2日目だったから認知行動療法みたいなのをやって

次に適性診断みたいなのをやった

当然被支援者だけでなく僕も一緒に参加してやってみる感じだ

そこで出た結果はというと

研究職 もしくは クリエイティブ系の例えば書籍編集者などが向いていると出た

周りにはそれっぽい〜とは言われたが そんな仕事できていたら最初からインターンには来ないだろう

 

そんなこんなでインターンをやってみた結果だが

だいぶ情けないことに相当に疲れてしまった

コミュニケーションや気遣いなどを過分に必要とするこういった職業は自分には不向きだと諦めてしまった

 

インターン終了後、人事の人に最終面接まで受けるかどうかを確認されたが

僕は断ってしまった

 

 

まあもう持ち駒はないし

コロナ流行りで緊急事態宣言が出て

会社自体がストップしてしまったので

就活も一旦ストップせざるをえまいなと思い

それでも最後っ屁と思って

転職サイトから片っ端から適当に応募してみたのであった