2020年も春を迎えようとしていた
いいところまで行った企業も落とされてしまい
世間ではコロナが流行りはじめている
やはりもうアカデミアでがんばるしかないと思っていた矢先
大学の就職課の方が病院の事務の仕事を紹介してくれた
コロナの時期に病院かーとは思いつつも
意識の高い僕はそんな時だからこそ医療系の仕事は求められるのだろうと
ひとまず相変わらずのやる気で特攻することにした
まずは院内見学だった
大体の説明を受け
院内を見て回ることに
病院に行くことなんて滅多になく
健康体で入院したことなんかも一度もないため
いろんな部署を巡ってリハビリ機材を見たり
なんかそういうのは楽しかった
また個人的に注目すべきだったのが
社食のカレー なんと290円で提供してくれるという
なんてサービスがいいんだろうと思った
さて一通り見て回った後
いよいよ試験になった
筆記試験と面接を一緒にやるらしい
受けていたのは4人
まず筆記試験だが小中学生並みの簡単な問題
まあこれは申し訳程度のものだろう
問題は面接
僕ともう1人現役大学生の女子と一緒に面接に呼ばれた
まずは女子から一通り聞かれたが その女子は緊張してるのかガチガチだった
まだ面接慣れしてなかったんだろう
就活上はライバルなんだろうが心の中ではがんばれーと思っていた
さて次は僕の番だ
感触はというと面接官は最初から僕の経歴を見て取る気はなさそうで
なんで博士課程なのに大学教員にならないの?塾講師とかじゃダメなの?
みたいな質問 まあダメだろうなあと思って
志望業界は医療系が一番ではないでしょ?って聞かれたので
素直に第一志望は大学教員ですって答えたら
面接官が「良かったあ」って言ってたのをまだ覚えている
結局病院事務は落とされた
もう弾はないなと思って大学の就職課に行ったら
今度は精神障害のある人たち向けの就労支援の仕事を紹介された
というのも一度だけだけどもYMCAの知的障害者支援のボランティアに行ったことがあったからだ
まあそういう方向も悪くないなと思ってひとまず受けてみることに
まずは例のごとく面接だが
最初の面接は顔合わせ程度という感じで
本丸はここから
本気で働きたいのなら
2日間インターンをしてみないかという話になった
断る理由もないのでやってみることにした
インターン当日
要領もわからないまま来てはみたが集まっているのは種々様々
軽度でまだ話せる人もいれば重度でコミュニケーションの難しい人もいたが
こういった人たちを就労へと向かわさないといけない
彼らの就活状況を聞くと社会復帰をまっとうに考えている人は色々受けて惜しいところまで行くが
もはややる気を無くしてしまってどうリカバリーをさせるかが課題の人もいるからだ
とはいえ僕は所詮インターンでしかないので当日のカリキュラムに沿ってこなしつつ
彼らとコミュニケーションを取ってむしろ我が身を振り返ることが多かった
そう よくよく考えれば僕のほうこそこういう就労支援が必要なんじゃないかと思ったわけで
従業員側ではないだろうと
まるでミイラ取りのミイラにでもなった気持ちで働いていた
2日目だったから認知行動療法みたいなのをやって
次に適性診断みたいなのをやった
当然被支援者だけでなく僕も一緒に参加してやってみる感じだ
そこで出た結果はというと
研究職 もしくは クリエイティブ系の例えば書籍編集者などが向いていると出た
周りにはそれっぽい〜とは言われたが そんな仕事できていたら最初からインターンには来ないだろう
そんなこんなでインターンをやってみた結果だが
だいぶ情けないことに相当に疲れてしまった
コミュニケーションや気遣いなどを過分に必要とするこういった職業は自分には不向きだと諦めてしまった
インターン終了後、人事の人に最終面接まで受けるかどうかを確認されたが
僕は断ってしまった
まあもう持ち駒はないし
コロナ流行りで緊急事態宣言が出て
会社自体がストップしてしまったので
就活も一旦ストップせざるをえまいなと思い
それでも最後っ屁と思って
転職サイトから片っ端から適当に応募してみたのであった